保育士の給与が少ないのは、財源確保が難しい事が原因?
保育士の給与が少ないと嘆かれている昨今、保育士の給与をアップするために、国ぐるみで新制度が取り入れられていますが、すぐには状況が改善しないという現状があります。
保育士の給料がそもそも少ない原因として考えられるのは、財源確保の難しさです。
認可保育園の場合は、国や都道府県から補助金が支給され、それに加えて保育料が貰えますので、財源確保がしやすいのですが、その他の保育所の場合、保育料のみで様々な部分を賄うこととなります。
保育料だけでは、保育士の給与をアップしてしまうと、その他の部分が賄い切れずに、運営自体が危ぶまれてしまうため、下手に給与をアップすることが出来ないのです。
このように、元々の財源の確保が難しい、無認可保育園などの場合は、現状まだまだ保育士の保育料をアップするに至っていないと言えるでしょう。
ただし、この問題を受けて国では、保育士の給与を実質2%アップさせる事が閣議決定され、市区町村、全国各地で様々な製作が行われています。
補助金の配布などを積極的に行っている地域も多く、その結果、保育士の給与が3万円前後アップした地域も少なくありません。
もちろん、地域によってはまだまだ対策が不十分な所も多いので一概には言えませんが、少しずつ、状況は好転していると言えるでしょう。
歴史の蓄積が保育士の給与を下げていた1面も
保育士の低賃金問題が浮上し始めたのはここ数年の話ですが、それまでも、別段低賃金が問題が出ていなかったという事ではありません。
保育士の現場では不満が募っていた物の、世間の考え方としては、“子供の面倒を見るのは母親の役目”、“お金を払ってまで余所に預けずとも、家族間得どうにかするべき”、“子供の面倒を見て遊んでいるだけでお金が貰えるなんておかしい”という風潮がありました。
一昔前の考え方ではありますが、この考えが根底に根づいていたこともあり、なかなか表立って問題が露呈しなかったことが現状です。
保育士の仕事内容の重大さ、共働き家庭の増加に伴い、保育士不足が浮き彫りになった結果、この考え方は徐々に廃れるようになりました。
そして現在、保育士の低賃金問題を解決しないことには、少子化は悪化するばかりとして、積極的な対策に乗り入れるようになったといえるでしょう。
まだ多少の時間はかかりますが、少しずつ世間の考え方が変わっていくことで、保育士の賃金も徐々にアップしていく事が期待されています。